チベット体操 元気でいなくっちゃ

大きなダムのある町の、山間の集落を一ヶ月ぶりに訪れた。

林道を登って行くと「あれっ」と、今までと違うことに気がつく。工事用の車が一台も停まっていない。

車を停めたら、一人の年輩の女性が話しかけてくれた。
「仕事はどう?」
「ボチボチです。本来の静けさが戻ってきましたね」
「ええ、でも私ら 寂しく感じるよ」

黙っていると、聞こえてくるのは、かなり下の谷の流れる水の音だけだ。

「今は何軒住んでいるんですか?」
「昔は26軒あったんだけど、25軒になり、あっという間に6軒になった。6軒と言っても、1軒は娘の所に寄せてもらって、もう一軒は病院に入院しててね、4軒みたいなもんさ。たまに病院から外出許可をもらって帰ってくるけど、すぐに帰らなくちゃいけないんだ。」

「誰も知らないような所に住むよりも、ここの方が絶対いいですもんね」
「そうだよ、ここなら 安気に暮らすことが出来るんだ」

「おばさん、今の元気をいつまでも維持しないといけないね」
「そうなんだ、元気でいなくっちゃいけないんだ」

お話の後、刈った草を背中いっぱい載せて、坂道を上がって行きました。
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仕事をしていたら、今度は別の男性が、やっぱり話しかけてきてくれた。

「なかなか 続くね」

実はもう4年くらい通っているので、たまにしか顔を合わせないとはいえ、お友達みたいなものだ。

「さっき、上のおばさんが 話しかけてくれたんですが、昔は何人くらいいたんですか?」
「ここに260人くらいいたんだよ」
「えええ、この集落にですか!」
「そう、今の小学校の子どもの数よりも多い人が住んでいたんだよ」

自分で植えた杉の木を見ながら
「これが戦後植えたやつなんだよ」
「そうなんですか そう思うと、時間の過ぎるのって速いですね」
「そう、おら もうそこまできてる」
「何言ってるんですか まだまだ これからですよ」

きっと、現在は10人くらいしか住んでいないこの集落で、それでも動ける範囲で精一杯生活をしている人たちがいます。

おばさんが言った
「元気でいなくっちゃ」
は、切実な願いに間違いない。

私たちがしなくてはいけないことがそこにあります。
私たちが出来ることもそこにあるような気がします。

そう、誰でもできる 元気な体づくり

おばさん、頑張ってみるからね。

この記事へのコメント

  • 三上紘司(みかみひろし)

    松下先生
    次の二つの文に心を打たれました。
    ●私たちがしなくてはいけないことがそこにあります。
    ●私たちが出来ることもそこにあるような気がします。
    頑張ります。
    お蔭様でますます元気です。
    2008年10月31日 13:44
  • T体操のお兄さん

    三上紘司さん

    お元気そうでなによりです。三上さんの『毎日のことば抄』も楽しみにしています。

    山間での話は、ここだけではなくて全国的なものだと思います。もしかしたら、都会の中ででも起きているような気もしますね。

    裏山に入る道で、毎年草が刈られていたのに、今年はどうしたのかな?って思うようなことに出会うんです。本当に地道で目立たない作業なのだけれど、実はとても大切な作業だったことに気がつくんですね、そうなってから・・・。

    もしかしたら、チベット体操もそいう部類の体操なのかも知れませんね。
    2008年10月31日 22:22

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